傷心公爵令嬢レイラの逃避行(下) / 染井由乃
ハッピーエンドだった!
読了後、よくよく考えてみるとリーンハルトサイドもルイスサイドも両方ハッピーエンドでは?とちょっと考えてしまうくらい(考えようによってはある意味双方)丸く収まった、ダブルヤンデレなお話でした。ハッピーエンドとメリーバッドエンドが両立してしまった。もうしばらくヤンデレはいいや……(笑)。上巻の感想で、リーンハルトがヤンデレ化したら~とか書いてましたが、実はすでにヤンデレ化していたあとだったというのもなかなかすごい展開でしたね、ヤンデレからうまいこと方向転換しててよかったんですけど……。ここでうまく方向転換して前に進めたところが、物語のヒーローなんだなぁと安心してしまいました。よかったよかった。
関係各所にオトシマエをつけに行くレイラがめちゃくちゃかっこよくて良かったです。いやもう逃げちゃっていいよ?と(読んでる私は凡人なので)思いはしましたが、ちゃんと決着つけに行くところが「公爵令嬢の鑑」のレイラらしいところなんだろうなぁ、という展開でした。影が薄かった父親も、この人も大概ひどいなぁ……というような背景だったので、全般的に歪んだ愛が重くて苦しい。おかげでレイラとリーンハルトの関係が輝いて見えてしまいます。一歩間違えればリーンハルトさんもアレですけど。
本編読んだあとにwebで掲載されている番外編を読んで、番外編も必読だな!と思いましたので、まだの方/今から本編を読もうとしておられる方がいらっしゃいましたらぜひとも本編読了後に番外編(特に感想書いている2020年10月時点で一番話数の多い番外編6)もチェックいただけたらと思います。本編で語りきられなかったところが判明するのと、たぶんこじれまくった本編のおかげで未来は明るいぞ?(予想)というお話で、(番外編の)主人公頑張れ!超頑張れ!と応援したくなると思います。
傷心公爵令嬢レイラの逃避行(下)
染井由乃/鈴ノ助
電撃の新文芸(2020.08)
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