薬屋のひとりごと / 日向夏
花街で薬師として働いていた猫猫は、ある日人さらいにあい後宮に放り込まれてしまう。下女として地味に目立たず過ごし、年季が明けるのを待つ作戦にでた猫猫だが、帝の公子たちの体調が思わしくないという噂を聞いてしまう。野次馬根性で様子を確認した猫猫はすぐにその原因に思い当たり、地味に目立たないように行動を起こしたが……
おもしろかった!人気シリーズなのも納得の1冊目でした。
葉月さんの感想やらなにやらで気になっていて、気がつけば9巻まで(最新刊!!!)買い込んで積(略)。web版は未読です。ええい!と読み始めたら止まりませんでした。わかってた。
好きな毒のためなら人体実験(自分の体で)にも全くためらいを見せない、薬師(今は下女)の猫猫が、その持ち前の知識(主に薬学)と観察力で物事の不思議や怪異の謎を解き明かすこともあれば、こんな感じかなーと暗示するにとどまるときもあるような、細々とした事件の顛末が綴られる連作短編形式のお話でした。一つ一つのお話が短めなので空き時間にちょこっとずつ読むのも楽しいかもしれませんね、一気読みしちゃったんですが。
猫猫がテンション低めに(ただし毒が関与すると地味にテンションが上がる)対処しているところや、猫猫の洞察力を買って貴妃付きに引き上げた傾国の美人な宦官の壬氏が、最初はただの駒扱いだったはずなのに段々とほだされていっているようなところが面白く、壬氏の護衛の人とにやりと笑って見守りたい気分になりました。私の少女小説読みの勘が、壬氏は偽宦官でかなりの高位皇族(帝の実弟か甥レベル)と決めつけているので、まあそんな感じの展開かなーそれだと楽しいなーと思って続きも読んでます。
薬屋のひとりごと
日向夏/しのとうこ
ヒーロー文庫(2014.8)
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