チョコレート・ダンディ~君の瞳は甘い罠~ / 我鳥彩子
少女小説家としてデビューを飾ったアデルは次の作品の執筆のため、オスカーにツンデレを演じさせようとするなどあの手この手で取材を重ねていた。そんな中、アデルの通う学園とオスカーの家にある美術品が世間を賑わす泥棒に狙われるという事件が発生する。絶好の取材のチャンスにアデルは飛びつき……
オスカーおぼっちゃま、おいたわしい……(でも楽しい)。
シリーズ2冊目。あしながおじさん分は随分薄れましたが[1]あしながおじさんの正体わかって両思いになったら、あしながおじさんの醍醐味がないといえばない、身分差・年の差ラブコメとして十分楽しいお話でした。今回は、中編3話収録ですが、その軸は「世間を賑わす美術品泥棒」。明らかに怪しいあの人とかこの人がどう関わってくるのかなぁ、と思っていたら結構大事件に発展……しかけて最後は我鳥さんらしく「うまくきれいにこじんまりと」まとまって流石だなぁと思いました。色々ありましたが、ツンデレは正義。
そして、前巻以上に「アデルに振り回されるオスカーおぼっちゃん」の様子が楽しくて、むふふと頬を緩ませながら読んでおりました。お説教モードに入ったオスカーの丁寧語の口調が個人的に非常にツボに入っております。一方のアデルもオスカーを振り回しつつ、そして懸念事項のオスカー母との関係構築にも成功し、着実に嫁のポジションを固めつつあります。次が最終巻のようですが、どんな事件に巻き込まれてそしてどんなラブコメが読めるのか、今から楽しみです。
チョコレート・ダンディ~君の瞳は甘い罠~
我鳥彩子/カスカベアキラ
集英社コバルト文庫(2016.06)
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References
↑1 | あしながおじさんの正体わかって両思いになったら、あしながおじさんの醍醐味がないといえばない |