薬屋のひとりごと12~14 / 日向夏

本の感想, お気に入り, 作者名 は行日向夏

領主代行を欠くことになった戌西州で、前領主代行の息子を補佐につけながら不本意ながら領主の代行を務めることになった壬氏は後継者問題に頭を悩ます。そんな中、いつも通り事件に巻き込まれた猫猫は、前領主の孫らとともに山賊の一味が占拠した村に連れていかれてしまう(12巻)。

西都編完結編(12巻)、中央に戻ってきた猫猫が事件に巻き込まれ(13巻)、いつの間にか羅の一員として名持ちの会合に参加させられてしまっていた猫猫(14巻)というようなお話。

なんとこの3巻の間に羅半兄の名前が判明してしまいました!(一応ネタバレなので文字色は背景色に合わせています)そして、その関係で最後まで扱いがひどいというか、ここまでネタになるかという不憫さでだいぶ笑いました。多分登場人物の中で一・二を争う不運の星の下に生まれてはいるものの、生命力が強いので何のかんので最後まで生き残るタイプだと思うので強く生きてほしいです。今回は(も)自分でいばらの道に進んでいってたけどね……、そっちは難易度が高いぞ……。

雀さんの正体が明かされたり、西も中央もなかなかにドロドロとしている政治劇が繰り広げられたり、猫猫がついに覚悟を決めたり、そうなると押せ押せだった壬氏が今度は引いたりと、主役二人もその周囲もなかなかに見どころいっぱいのお話でした。西都関連だけで軽く一年が経過しているので物語の開始から考えるとそれなりに時間もたってますよね、とのんびり構えていたら、花街の三姫にも大きな動きがあり作中での時の流れをひしひしと感じたり。猫猫の変態軍師への態度もそりゃ丸くなるわ。

私にしては珍しく最新刊に追いついている今作、もうすぐに15巻も出るのでこの調子で追いかけていきたいです。アニメも「この壬氏がけしからん」と思いながら見てたんですが、第二期も2025年放映での制作が決定したとのことでめでたい限りです。薬屋のアニメはお話が丁寧で作画も美しく演者の皆さんも素晴らしく本当に良いアニメ化だったので引き続き楽しみです。

薬屋のひとりごと12
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